海外ユニコーンに関わる市場動向を中心としたマーケットコラム

MARKET COLUMN

2019年10月15日

ソフトバンクグループの、こんまり流「ときめきモーメント」

ジェフ・マクドナルド
HiJoJo Partners株式会社
投資助言部 ディレクター

“片づけコンサルタント”近藤麻理恵氏が提唱する片付け術「こんまりメソット」が、アメリカを中心に世界中で熱狂的な支持を得ているという話題は、みなさんの記憶にも新しいだろう。その片付け術とは、持ち物をカテゴリ毎にまとめ、その中の「ときめき(Spark Joy)」を感じるものだけを残すことだ。この手法は、モノの取捨選択を通じて自らに向き合うことで自らの価値観をより良い方向へと導く実践術で、日本の神道の考え方に根ざしたものだという。

ソフトバンク孫正義氏が蔑ろにしてしまった投資の教訓

The We Company(以下WeWork)のIPO申請をきっかけに、WeWorkに関するネガティブな話題が盛んに取り上げられている。その中でもソフトバンクが経験したWeWork投資の大失敗は、「こんまりメソット」をもって取り組んでいれば結果はもう少し違っていたかもしれない。そこには、投資家にとって今すぐ参考になる基本的な教訓がある。
まず一つ目は「損失を削減すること」、二つ目は「投資不適切と判明したら追加の投資をしない」ということだ。
WeWorkのアダム・ニューマンCEOの度を超えた行いや経営からの追放が報道されているが、孫正義氏は、まさにこの二つ目の教訓を結果として蔑ろにしてしまったため、この様な結果を招いたといえる。

期待と現実(21兆円:8.6兆円)

2019年2月、孫正義氏はソフトバンクグループの時価総額(約9兆円)について「安すぎると心から思っている」と不満を漏らし、長い目で見れば同社の保有株式の価値(約21兆円)に見合う時価総額になるとの認識を示した。(出所:Reuters)その際、6000億円を上限とする自社株買いの実施も発表している。
それから約8ヶ月たった現在、ソフトバンクグループ(9984)の2020年3月期2Q決算発表を控え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、今期(2020年3月期)の営業利益予想を1兆5,900億円から1兆100億円へと約6000億円下方修正した。この下方修正の主要因は、ソフトバンク・ビジョンファンドの利益予想について、投資先のUberとSlack Technologiesの株価下落に加え、WeWorkの上場申請取り下げを織り込んだ結果、5,900億円(54億USドル)から100億円へと大幅に下方修正したことにある。ソフトバンクグループの時価総額は約8.6兆円(2019年10月11日時点)。さらにソフトバンクグループ担当アナリスト17人による“目標株価”の平均値(6967円)に対する時価総額換算で見たとしても約14.5兆円である(出所:Bloomberg)。その期待(21兆円)と現実(8.6兆円)は大きく乖離したままである。

ソフトバンクグループの2Q決算後の動向に注目

先の二つの教訓に加え投資家にとってもう1つ重要な教訓は、感情的な投資決定をしないことだ。期待と現実の間に齟齬がある場合、現実を受け入れ難くなるのはよくあることだ。もし、孫正義氏とソフトバンクが11月の決算発表後に再び自社株買いを発表したとしたら、それはまさに彼らがその過ちに陥っているというメッセージである。「盗人に追い銭」、果たして彼らは幻影の中から抜け出すことができるだろうか。

(Geoff Macdonald)
当資料は、HiJoJo Partners株式会社(以下、「当社」または「HiJoJo Partners」)が一般的な情報の提供のみを目的として作成したものであり、いかなる有価証券等の取得を勧誘するものではなく、また、当社による投資助言を目的としたものではありません。当社は、当資料に記載されているデータ・意見等の正確性・確実性・完全性を何ら保証するものではありません。また、当資料に記載されている内容は、事前連絡なしに変更されることがあります。なお、当資料の著作権は当社に属し、その目的を問わず無断で引用または複製することを禁じます。本資料に関するお問い合わせはHiJoJo Partnersの担当者までお願いいたします。

商号等:HiJoJo Partners 株式会社
登録番号 関東財務局長(金商)第3065号
加入協会:一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会

    会員登録が必要な理由

    当社が販売するファンドは、非上場企業を組入れたリスクの高い商品です。また、クローズ型ファンドのため、原則として途中解約はできません。

    そのため、当社が販売するファンドのご紹介につきましては、投資家保護の観点からファンドの特性に合わせ当社が設定した適合性(投資家の知識、経験、投資目的、財産の状況等)に見合う投資家の方に対してのみ行なっております。(適合性の原則)

    以上から、ファンド募集情報の開示、ファンドの販売等は会員限定とさせていただいております。ご了承ください。

    ファンドの募集情報が会員限定公開である理由

    当社が販売するファンドは、非上場企業を組入れたリスクの高い商品です。また、クローズ型ファンドのため、原則として途中解約はできません。

    そのため、当社が販売するファンドのご紹介につきましては、投資家保護の観点からファンドの特性に合わせ当社が設定した適合性(投資家の知識、経験、投資目的、財産の状況等)に見合う投資家の方に対してのみ行なっております。(適合性の原則)

    以上から、ファンド募集情報の開示、ファンドの販売等は会員限定とさせていただいております。ご了承ください。